ブループラネット賞 

今年度の受賞者

10月19日(木)に受賞者による記念講演会が国際連合大学(東京都渋谷区)で開催されます。

2017年(第26回)

ハンス・J・シェルンフーバー教授

ハンス・J・シェルンフーバー教授(ドイツ)
1950年6月7日生れ
ポツダム気候影響研究所(PIK) 設立者・所長



自身が設立したポツダム気候影響研究所を率い、数学的モデルを駆使して学際的な情報を統合する「地球システム解析」という全地球的な視野を持つ新しい科学領域の開拓に寄与した。更に、地球温暖化対策の新しい潮流を創りだし、2015年COP21における190ヵ国以上による2℃未満目標合意とその扶植に貢献した。このように教授とPIKはこの分野において長年にわたり主導的な役割を果たしてきた。

グレッチェン・C・デイリー教授

グレッチェン・C・デイリー教授(米国)
1964年10月19日 生れ
スタンフォード大学生物学部環境科学科ビング教授、保全生物学センター所長、ウッズ環境研究所シニアフェロー、「自然資本プロジェクト」共同創設者、ファカルティダイレクター

長年の実地調査を基に人間の営みが生物圏へ及ぼす影響を研究し、自然と調和して繁栄していく持続可能な社会の実現に尽力した。特に農業による土地利用の観点から「カントリーサイド生物地理学」を提唱し、人間の影響により変化する生物多様性と生態系サービスを定量的に理解し将来を予測する実践的かつ学際的な分野を開拓した。その成果を環境政策や投融資判断に結びつける新たな道筋を築き、世界中の多くの地域に適用が広がっている。

受賞の辞

宇宙空間から見ると、私たちの故郷である地球は果てしない闇の中にはめ込まれた壊れやすい青いビー玉のように見えます。どうやら、地球とその生命維持システムは、明らかに最高度の注意を払って扱わなければならないようです。それゆえ、2017年ブループラネット賞の受賞を大変感謝しております。しかし、それと同時に、将来の世代のためにこの人類共通の故郷である地球を守るための非常に困難な挑戦に身が引き締まる思いです。 私たち気候科学者には、果たさなければならない二つの責務があります。一つは、地球環境を構成したり破壊したりする過程の絡み合いを解きほぐすことです。二点目は、そうして得られた事実をステークホルダーや公衆に手加減無く伝える責任を負うことです。後者は、「偽ニュース」や「代替的事実」で溢れているこの時代にあっては極めて困難です。そのため、理性を迷信から守りイデオロギーに対して道徳を示すことが、私たちに求められています。 こうしたことの大略がすべて、私がブループラネット賞を受賞したことで改めて世の中に示される事になりました。

人々と自然の深い相互関連についての理解は、人間の健康や安全保証、繁栄にとって基本となることです。私たちは危機的な時代を生きていますが、人が自然をどのように考えるのかという点では変わり目にあるのです。 微生物、蜂、ジャイアント・セコイア、さらには広大な珊瑚礁まで、世界中で、この青い惑星の人類以外の仲間たちに人が依存しているという事実に私たちは目覚めはじめています。私たちは、都市、実用的な陸や海の景観、および保護地域の設計へ自然の価値を取り入れる共通の言語とアプローチが台頭している状況を目の当たりにしています。 日本の里山と里海の体系はカギとなる洞察をもたらし、過去から学んだことをこの都市化しデジタル化した世界に取り込むという挑戦へわれわれを導いています。 こうした変革を理解のレベルから情熱、そして意義ある永続的な行動へと推し進めてくれた、旭硝子財団、私の多くの同僚、保全生物学センター、自然資本プロジェクト、その他の方々に心から感謝いたします。

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