田中:私が簡単で始めやすいなと思ったのは「ゼロ・ウェイスト・ホーム」という本に載っている、自分のゴミ箱の中身を見ることです。
普段消費しているものが分かり、いかに毎日多くのプラスチック製品を使っていたのかと気付かされます。減らせるものや使わなくても良いものが見えてきて、そこから意識改革や行動変容につながります。
道田:これも"見える化"のアクションの一つですね。
伊達:クリーンナップ活動に参加することも、色々な気づきにつながります。例えば川のそばに納豆の空容器が落ちていると「あれ?なぜこんなところにあるのだろう」と思いますよね。
街のごみにも目が行くようになり、視野が広がるきっかけになると思います。
正解が出なくてもいい。垣根を超えて対話しよう
──今後はどんなことに取り組んでいきたいですか?
道田:海洋プラスチックごみの問題は、研究としてはまだ新しい分野なので、これまで関わることのなかった人たちと垣根を超えた交流を大切にしています。研究というとどうしても専門領域に閉じこもりがちな部分もありますが、海洋プラスチックごみの問題は単純ではないからこそ、色々な人との関わりがとても重要なんです。
まさに「待ったなし」の状況ですが、研究結果が出るまでのプロセスが多く、分析に時間がかかるというもどかしい側面もあります。
その間にもっと"見える化"の取り組みを普及させたいです。UMINARIさんとはこの部分で一緒に取り組めることがありそうですね。
伊達:はい。そして僕たちのような団体や企業が調査研究に関われる可能性も広げたいです。
UMINARIは「共創」というミッションを掲げています。海洋プラスチックごみ問題の解決は世界規模の課題で、いち企業や個々人で解決するのは難しい。
UMINARIをNPO法人にしたのは、それぞれをつなぎ、中立的な立場のコミュニケーションを担いたいと考えたからです。
例えば先ほど道田教授に教えてもらった現状を、もっと多くの人につなげていく存在が必要だと思うんです。今後、輪をさらに広げていくことを目標に掲げています。