環境問題の解決に向けて貢献した個人・組織に贈られる「ブループラネット賞」。
2016年(第25回)は、インドのパバン・シュクデフ氏とスイスのマルクス・ボルナー教授が受賞した。
シュクデフ氏は経済活動において自然から受けた恩恵を数値化し自然の価値を評価するという環境会計を発展させ、その実用的な測定方法を提唱しこれまで見えていなかった、自然に対する負担を明らかにした。さらに長年銀行で働いて来た経験を元に、世界を動かしている民間企業の会計システムにこそ数値化した自然の価値を組み入れることが必要だとして、そのための具体的な方法を記した手引書「自然資本プロトコル」を発表し、持続可能な社会の実現に貢献している。 もう一人の受賞者、動物学者のマルクス・ボルナー教授は40年にわたりタンザニアのセレンゲティ国立公園で豊かな生態系を守ってきた。密猟者から動物を守り、絶滅の危機にあったクロサイを復活させ、ヌーの大移動を妨げる高速道路建設のルートを変更させるなど、多くの活動を通してボルナー教授が気づいたことは、国立公園の周辺に住む人々もまたその地域の生態系の一部であるということ、そして生態系を守るためには、地域のコミュニティや政治家、科学者、様々な保護団体など全てを巻き込んで協働することが唯一の方法であるということ。それぞれの立場で経済発展と自然保護の両立を目指す2人が青い地球を守るためにどんな努力を積み重ねて来たのか、その具体的な活動を紹介する。