GNH(こくみんそうこうふく)国民総幸福(Gross National Happiness : GNH)

 国民総幸福(GNH)は、経済成長を優先する姿勢を見直し、国民の幸福と生活の質を重視するブータン独自の発展理念である。1970年代にジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代国王(2022年ブループラネット賞受賞)が「国民総生産(GDP)より国民総幸福(GNH)が重要」と提唱したことに始まる。
この考え方は仏教の価値観に基づき、物質的豊かさに加え、精神的・文化的な充実も含めた幸福を目指す。GNHは、①持続可能で公平な社会経済発展、②環境保護、③文化の保護と振興、④良い統治の4本柱から成り、心理的幸福、健康、教育、生態系の多様性、生活水準など9分野に分類される。
日常に根ざした72の指標で幸福度を多面的に測定し、2006年から2015年までに計4回の全国調査が実施された。

    

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