ABCs (かっしょくうん)ABCs (褐色雲)

 Atmospheric Brown Clouds: ABCs(褐色雲)とは、化石燃料の燃焼や砂漠化による砂塵など、エアロゾルによって生じた人工的な大気汚染の現象で、1999年にその存在が認識された。煤(すす)や化学物質などを含むこのスモッグは日光を吸収し、褐色に見えることからその名がついた。
褐色雲は呼吸器や心臓疾患のリスクを高めるほか、雲の近辺では大気温が上昇する一方で、日射量の減少により地表の温度は低下し、農作物の収穫量減少などの影響も報告されている。また、アジア地域におけるモンスーンの異常など、気候変動との関連性も指摘されている。
国連環境計画(UNEP)は、2003年から褐色雲問題への取り組みを開始し、2008年11月13日に発表した報告では、厚さ約3 kmの褐色雲がアラビア半島から中国、西太平洋にまで広がっていると公表した。この報告では、ヒマラヤの雪氷の融解や健康への悪影響についても警告がなされている。

    

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