パーサ・ダスグプタ教授(英国)
1942年生まれ
ケンブリッジ大学経済学部フランク・ラムゼイ名誉教授
ダスグプタ教授の先駆的な功績は、世代間の公平性と持続可能な開発の二つの概念が同等であることを示し、福祉経済学および環境経済学を統合したことである。また、環境資源基盤が劣化していく状況にある、発展途上国の農村部の貧困を対象とした研究の草分け的存在でもある。こうして、過去にはまったく異なる分野であった開発経済学と環境経済学という分野が統合された。人類の幸福から自然環境までを扱った幅広い内容の著書では、経済的発展の評価にあたり、GDPや現在広く用いられている場当たり的な幸福の指標ではなく、包括的な国の富(ストック)でもって行うことが適切であることを示した。こうした研究をもとに、国家の経済的会計の理想的なシステムが作り出され、今やインドや他の数か国において導入され成果を上げている。教授は、ライフワークとして自然のシームレスな経済的意味付を行い新しい経済理論を形成し、現代の経済思想に多大な影響を与えてきた。
ジェフリー・D・サックス教授(米国)
1954年生まれ
コロンビア大学地球研究所所長
サックス教授は開発途上各国の経済再建に、経済危機を乗り越えて持続可能な発展を実現する輝かしい実績を残してきた。学際的かつ革新的な「臨床経済学」を適用することで人類の平等を押し進め、ガバナンス、貧困、公衆衛生、教育、環境における諸問題を解決するために、小規模農業、社会事業、経済発展を促進して極度の貧困の克服に貢献してきた。学者、実践者、政府や国連の上級顧問として、これまで世界に多大な影響を与えてきた。
- 受賞者の所属・役職は受賞当時のものです。
- 講演録とは、受賞者記念講演会の資料です。
- 記念誌とは、5年ごとに刊行される「A Better Future for the Planet Earth」のことです。英文のみでエッセイと講演録が含まれます。
- 2009年以前の動画はありません。