ヴィーラバドラン・ラマナサン教授(米国)
1944年生まれ
カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋研究所 教授
気候持続可能性 エドワード A フリーマン寄附講座
ラマナサン教授は、短寿命気候汚染物質(SLCPs)と呼ばれる二酸化炭素以外の汚染物質の気候への影響を数十年に渡って研究してきた。対象は、メタン、対流圏オゾン、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs*1)、ブラックカーボン*2(煤)などである。クロロフルオロカーボン類(CFCs*3)の非常に大きな温室効果を発見し、自身で統括した褐色雲(ABCs)に関する国際現地プロジェクトを通して、ブラックカーボンの気候への影響を明らかにするなどの貢献があった。教授は、SLCPの削減は温暖化を速やかに抑制し、大気汚染を大幅に改善することを示し、その後SLCP削減のための国際的な活動を主導した。
*1 オゾン層を破壊しない「代替フロン」。二酸化炭素の数百~数万倍の温室効果がある。
*2 大気中を浮遊する微小粒子(エアロゾル)の成分の一つ。石炭、薪などの燃焼により生ずる炭素が主成分。
*3 フロンの一種で、オゾン層破壊物質。二酸化炭素の約5千~1万倍の温室効果がある。
モハン・ムナシンゲ教授(スリランカ)
1945年生まれ
ムナシンゲ開発研究所 創設者・所長
ムナシンゲ教授は、統合的、学問横断的であり、開発の問題を経済、環境、社会の三つの観点からとらえるサステノミクスの考え方を創出した。革新的な概念である「公正な包括的グリーン成長(BIGG)」や「ミレニアム消費目標(MCGs)」はサステノミクスから生まれた。BIGGは、各国に発展の度合いに応じた持続可能な開発の道筋をとることを求め、また、MCGsは、世界生産のほとんどを消費する裕福な人々に地球への負荷を低減するため、消費目標の遵守を求める。教授は、これらの考え方を世界に広めるため、環境経済学と環境政策を用いて実践的な活動を展開している。
- 受賞者の所属・役職は受賞当時のものです。
- 講演録とは、受賞者記念講演会の資料です。
- 記念誌とは、5年ごとに刊行される「A Better Future for the Planet Earth」のことです。英文のみでエッセイと講演録が含まれます。
- 2009年以前の動画はありません。